60代・男性・会社員
手術でも消えなかった痛みがきちんと治り、仕事をスムーズにこなせるように。 「脊柱管狭窄症の手術を受けても、まったく痛みが治まらないし、症状も変わらな い」。私の治療院に初めて来たとき、そうおっしゃっていた患者さんです。そこで、 手術を受ける前からの症状をうかがうと、そもそも脊柱管狭窄症の症状自体がほと んどなく、椎間板ヘルニアの症状ばかりを話されました。 病院で受けたMRI検査の画像には、狭窄症とヘルニア両方の特徴が見られたの かもしれません。しかし、ご本人は、「立っているときよりも座っているときのほ うがつらい」など、ヘルニア特有の症状をいくつも自覚されていました。 ですから、もしも手術をするなら、椎間板ヘルニアの手術を受けるべきで、本来 は受けなくてもいい脊柱管狭窄症の手術を受けてしまったというケースです。 そこで私は、この方のヘルニアに最も適した治療を行い、ストレッ チもご自宅で実践するように指導しました。 また、この方はジム通いが趣味で、腰痛改善にいいと思って真剣に取り組んでお られた腹筋・背筋のトレーニングを、少しお休みしてもらうことにしました。ハー ドな筋トレは、腰痛を悪化させるリスクのほうが高いからです。 その結果、約3カ月でヘルニアの症状は治まり、特に訴えの強かった「座ってい るときの痛み」も解消されました。毎日の仕事を、以前よりずっとスムーズにこな せるそうです。 これからは、正しい腰痛対策を実践されるはずですから、再発の可能性は低いと 信じています。
70代・女性・会社経営
脊柱管狭窄症が約3カ月で大幅に改善し、憧れの豪華客船の旅を実現できた。 この方は、大学病院で脊柱管狭窄症と診断され、私の治療院に来た段階では、ほ とんど歩けない状態でした。100メートルの距離を歩くのに、何回も休むほどの 間欠性破行の症状があったのです。 よくよく話を聞いてみると、若いときにぎつくり腰を繰り返し、椎間板ヘルニア を経て、脊柱管狭窄症に進行したものと判断できました。 その時点の腰痛の状態は、「椎間板ヘルニアの割合が4割、脊柱管狭窄症の割合 が6割」。排尿のコントロールに問題がなかったこともあり、手術をせずに完治を 目指すことにしました。 その後は、週1回の仙腸関節の調整治療を受けていただきつつ、普段から姿勢を 意識する習慣をつけるため、少しずつでいいので歩いてもらうことにしました。 最初は痛みに耐えながらウォーキングを続けてくださり、その結果、約1カ月後 には腰痛がかなり楽になり、1日に3キロ程度の距離を歩けるように。 そして3カ月後には、仙腸関節の調整を月1回受ければいいほどに状態が回復さ れていました。 初めて来院されてから約1年が経った現在も、腰の状態はきわめて良好で、痛み はないそうです。おかげで、つい最近には、3カ月間かけて南半球を回る豪華客船 の旅に出掛けたとのこと。もともと旅行好きで、この船の旅を目標に努力してきた 方なので、喜びもひとしおだったことでしょう。 具体的な目標を持ち、前向きな気持ちで腰痛対策に取り組める人は、脊柱管狭窄 症も克服できるその代表的な症例です。
30代・女性・会社員
こり、痛み、しびれを自分でコントロール!首・肩だけでなく腰の不調までセルフケアで治せた。 読者の皆さんはご存じでしょうが、私は本業の治療だけでなく、できるだけ多く の人の関節痛解消を手助けできるよう、本書の執筆のような活動もしています。 この女性は、そうした仕事の過程で知り合った方です。 彼女は、いわゆるキャリアウーマンで、いつも忙しくしています。そのため、肩 こり、首の痛み、手のしびれ、腰痛まで感じていても、病院で診てもらう時間を取 れなかったそうです。 体は限界に達する直前。そんなときに、私と仕事をする中で、まるで問診のよう な会話をする機会がありました。ですから私は、「あご押し体操」 「首のテニスポー ル体操」「腰のテニスボール体操」の実践と、「寝るときはできるだけ枕を使わない ほうがいいですよ」とアドバイスしたのです。 私がしたことはそれだけで、この女性に実際に施術をしたわけではありません。 彼女は、私の本を読みながら、仕事を終えてから自宅でセルフケアを続けてくれ ました。いわば、この本を読んでくださっている多くの皆さんと同じような状況で、 セルフケアだけで痛みの解消に取り組まれたのです。 その結果、約1か月で、長年のつらい症状を撃退することができました。 ただ、仕事でかなり長時間、パソコン作業をする場合があり、そんなときはやは り肩こり、首痛が再発してしまうそうです。 しかし、そのたびごとに各種体操を行って、こりや痛みをきちんと消し去ってい ます。 不調が限界に達する前に、自分でトラブルをコントロールできた好例です。
60代・男性・教師
頸髄症が進んだ段階でも症状が大幅改善!歩行障害や嚥下障害まで克服できた。 頸髄症が進んでいたこの方は、かなりの重症でした。 首は前に出て、顔が下を向いたまま固まっている状態。就寝中に寝返りを打つだ けで首に激痛が走り、目覚めてしまうとのこと。また、かなり猫背の姿勢になって いたせいで、食べ物を飲み込むときの苦しさ (嚥下障害) を感じていたそうです。 さらに、しびれや痛みは上半身だけにとどまらず、足先にまで感じるようになっ ていました。運動機能にも障害が現れて、1人で歩くことは難しく、娘さんに支え られるようにして来院されたのです。 ここまで悪化した状態だと、体操などでいきなり頸稚を矯正しようとしても、関 節が完全に固まりきっているためにうまくいきません。 ですから、まずは「首にいい生活スタイル」で日々を過ごしてもらい、"ゆっく りペースの矯正〟からスタートします。枕の高さを少しずつ低くしていったり、首 や肩に負担をかけないパソコン使用法をマスターしてもらったりするのです。 そうした期間を数ヶ月経てから、本格的な治療とセルフケアを開始しました。ご 自宅では、「あご押し体操」や「首のテニスボール体操」、「腰のテニスボール体 操」を中心に行っていたそうです。すると、痛みやしびれは少しずつよくなってい きました。足のしびれは完全に消え、1人で問題なく歩けるようにもなりました。 手のほうは、多少のしびれは残ったものの、低下していた握力が回復できました。 もちろん、首から肩にかけてのこり、痛みは解消され、姿勢も大幅に改善。おか げで、食べ物を楽に飲み込めるようになり、安眠も手に入れたのです。
10代・男性・学生
首こり、肩こり、腕のしびれを解消したおかげで将来の夢を継続することができた。 最近になって初めて来院された、高校生の男の子です。 彼は美術部に所属していて、絵を描くことが大好きです。そして趣味は、スマー トフォンやゲーム。学生ですから勉強もしています。つまり普段から、下を向いた り、首を前に突き出したりしている時間が非常に長い生活を送っていました。 その影響で頸稚椎間板ヘルニアになり、首・肩のこりと、腕のしびれが現れてい ました。 付き添って来た父親にも話を聞くと、こうした生活スタイルが体によくないこと は想像できていたそうです。しかし、どこまで強く注意していいものかわからず、 現在に至ってしまったとのこと。そこで、頚椎に与える悪影響のメカニズムを説明 すると、「叱るぐらいに言っておけばよかった」と反省されていました。 幸い、この男の子は、頚椎のトラブルを3か月ほどで治すことができました。 「あご押し体操」「首のテニスボール体操」「腰のテニスボール体操」などのセルフ ケアを毎日行った結果です。また、下を向いている時間、首を前に出している時間 が長くなったと気づいたら、その体勢を直す意識を持ったことも奏効したでしょう。 いずれにしても、悪化しつつあった首こり、肩こり、腕のしびれを治せたことで、 この高校生は「将来も絵を描き続けたい」という夢を持ち続けられたのです。 近年訪れる学生、生徒の患者さんを見ていると、悪い姿勢を親から強く注意され たことがないというパターンが増えています。〝優しい親子関係〃も大切ですが、 それで頚椎のトラブルを悪化させてしまっては、最終的に損をするのは子どものほ うです。思い当たるふしのある親御さんは、ぜひ気をつけてください。
40代・女性・エステサロン経営
頸髄症まで進行した頸稚異常を見事撃退!重度の首痛、脚のしびれまで完治した。 「すみません。実は、首が上がらないんです」 初診時に問診している最中、この女性はずっと下を向きながら話していました。 そこで、「お顔を上げてお話しませんか?」と問いかけたとき、この言葉が返って きたのです。 この女性は、エステサロンでお客様に施術をするときの姿勢が固定されてしまっ た状態でした。ベッドで横になっている人に向き合うのなら、首を前方に曲げて下 向きになるのは当たり前。頚椎にそのクセがつき、常にうつむいているために、 「道を歩いていると他人とよくぶつかってしまう」という詰もされていました。 ストレートネックになって頸椎が固まっていることで、首の痛みは「首の後ろ側、 横側」だけでなく、「前側」にも現れ始めていました。さらに、脚にまでしびれが 出ていました。状態はかなり進行していて、「頚髄症」の段階に入っていることは 明らかでした。 ただ、排尿障害がなかったこともあり、すぐに手術を受けるのではなく、治療と セルフケアで完治を目指すことにしたのです。 彼女には、私の治療院への週1回の通院を続けながら、「首のテニスボール体 操」をはじめとした各種体操を続けてもらいました。さらに、「なるべく下を向か せない」という意図で、ムチウチ治療で用いられるカラーを適宜使ったり、猫背を 矯正する下着も利用してもらったりしました。 すると、1~2か月後ぐらいから、少しずつでも確実に変化が現れました。そし て、約半年が経過した現在、なんとすべての症状を解決するに至ったのです。
30代・男性・自営業
頑固な肩こり、首痛、手のしぴれが治り低下していた握力も回復した! 自営でお店をやっているような方は、体の不調があってもなかなか仕事を休めず、 症状を進行させてしまう傾向があります。 この男性は、寿司職人でした。 頑固な肩こりに長年悩まされ、首の痛みもあり、手のしびれまで出てきても、マ ッサージを受けてなんとかごまかしてきました。 しかし、マッサージで症状の進行が止まるはずもありません。ついに手の握力が 低下し、思うように寿司を握れなくなつたということで、私の治療院にいらっしや ったのです。 その時点での状態は、頚椎椎間板ヘルニア。それでも、あきらめる必要はまった くないこと、適切なセルフケアで治せることを私からお伝えし、トラブルを本格的 に治す意識を持っていただきました。 そしてやっと、当院での施術とセルフケアをスタートさせたのです。 この方は、「基本の体操」のすべてを、地道にコツコツと続 けてくれました。本来は手先が器用な人なので、「頚椎横突起つかみ体操」を非常 にうまく行っていたのが印象的でした。 最初のうちは、頸椎だけでなく周囲の筋肉もこり固まっていたせいで、体操を行 つているときに痛みを感じることもあったそうです。 しかし、その痛みは「頚椎を矯正しているがために現れた痛み」と理解し、体操 を継続していると、肩こり、首痛はスムーズに消失。握力もどんどん蘇って、手の しびれも治まったのです。当然、寿司を握ることになんの問題もなくなりました。
40代・女性・歌手
ストレートネックと首痛をすっきり解消!うつ症状までが約2か月で治った。 この女性歌手の方は、テレビや舞台で長年活躍されています。 そうしたストレスの多い仕事環境や、まじめな性格も影響したのか、数年前から うつの症状が出現。そのため、病院から処方された抗うつ剤を飲み始めたそうです。 しかし、3か月経っても、症状は改善しませんでした。そこで医師は、この方に 首の痛みがあることを考慮し、脳外科の受診をすすめます。 ところが、脳の異常も見つからない その結果、まずは"確実な異常〟であるストレートネックを治すことになったそうです。 そこで私が、ストレートネックと首痛の解消に当たることになりました。 一般に、歌手やアナウンサーの方々は、マイクのほうに口を近づけて前傾姿勢に なる傾向があります。この女性もまさしくそうで、そのためにストレートネックに なり、首の痛みが発生していました。そこで早速治療を開始し、「あご押し体操」 や「首のテニスボール体操」などのセルフケアも行ってもらうようにしました。 その結果、最高の成果が得られました。 ストレートネックがきちんと治り、ご本人いわく「首がす-つと楽になっていき、 約2か月で痛みがなくなった」のです。さらに、首の痛みが引くと同時に、「落ち 込みやすい」「気分が不安定」などのうつ症状も治ったそうです。 これは、首のテニスボール体操の効果が最大限に発揮されたためと考えられます。 実は先日、この女性と偶然すれ違う機会がありました。 「あご押し体操、今もやってますよ」とおっしゃったときの笑顔は、初診時の表情 とは比べものにならないぐらい光り輝いていました。
40代・女性・主婦
頸稚症と手根管症候群が1か月で治り手術をせずに済んで大喜び! この方は、地元の関西の病院で「手根管症候群」と診断され、半年ほど治療を 続けていました。しかし、手根管症候群に特有の手のしびれはよくならず、担当医 からは手術をすすめられたそうです。 ですが、ご本人には、「手術をせずに治したい」という強い思いがありました。 そこで、私の治療院に来てくださったのです。 私が診ても、確かに手根管症候群であると判断できました。 ところが、じつくり話を聞いてみると、首の痛みも長年抱えているとのこと。早 速調べてみると、この女性は 「頸椎症」も併発しているとわかったのです。 そこで、この日は、頚椎と手根管への施術を行い、地元に戻ってから継続してほ しいセルフケアの方法をお伝えしました。 ご本人から後に聞いた話によると、その日以降、きちんとセルフケアを続けたそうです。 頸椎症に対しては 「あご押し体操」 「首のテニスボール体操」 「腰のテニスボール 体操」を、手相管症候群に対しては 「手首押し込み体操」を実践。さらに、手根管 周辺の筋肉を日常的にゆるめるように気を遣い、重いものを持ったりフライパンを 振ったりしないように注意したそうです。 すると、この女性の首の痛みや、手のしびれは、約1か月で消えてしまいました。 もちろん手術を回避でき、ご本人は大喜びでした。 このように、頸稚のケアをしっかりしておくと、手根管症候群、肘部管症候群、 胸郭出口症候群などによる腕のしびれも早く治りやすいのです。
50歳・主婦
この方は、椎間板ヘルニア、もしくは変形性股関節症です。 股関節に痛みやだるさがあるということですが、脊柱管狭窄症ではこうした症状 はほとんど現われません。一方、椎間板ヘルニアの場合は、お尻の横側から太もも にかけての梨状筋という筋肉にだるさや痛みを感じることがあります。この方の場 合も、椎間板ヘルニアの影響による症状の可能性はあると思います。 ただし、股関節にビリッとした痛みが出ているところを見ると、変形性股関節症 の初期症状が現われている可能性もあります。変形性股関節症があるかどうかは、 自分でチェックすることもできます。イスに座った姿勢や仰向けに寝そべった姿勢 で、片足のひざ小僧を反対側の胸にくっつくぐらいに近づけてみてください。左足 であれば右側の胸に近づけ、右足であれば左側の胸に近づけるのです。これをやっ てみて股関節に痛みが走るようなら、変形性股関節症の可能性がかなり高いと見て いいでしょう。 もっとも、このチェック法はあくまで目安です。症状が続くようでしたら、変形 性股関節症は放置して進行させてしまうと歩行障害などにもつながる疾患ですの で、やはり一度整形外科を訪ねて医師に診断を仰ぐことをおすすめします。 ・なぜこの症状が起こるのか 股関節は骨盤と大腿骨とをつなぐジョイント部分。変形性股関節症は、このジョ イント部分が狭くなったことにより骨同士が引っかかり、違和感や痛みなどの症状 を引き起こす疾患です。 症状が出るのは、鼠蹊部、お尻の下側、お尻の横側などで、ほとんどの場合左右 片側一方に現われます。患者さんの9剖は女性です。最初のうちは、だるさや違和 感、たまにビリッとした痛みを覚える程度ですが、症状が進むと、体重をかけたと きや歩き始めのときに痛むようになり、やがて常時痛むようになって、痛むほうの 足を引きずるようになっていきます。最終的に、杖をつかないと歩けなくなること も少なくありません。 ・すくに症状を軽減させたいときの方法は? 変形性股関節症のわずらわしい症状を緩和させるには、とにかく関節内で骨同士 が接触しないように股関節のスペースを広げることが重要です。スペースを広げる 方法はいくつかあるのですが、ここでは『股関節テニスボール矯正』をご紹介しま しょう。 この矯正では「4つのテニス ボールをテープでつなげたもの」を股の間に挟み、ひざや足首をひもで縛って、股 を閉じるようにももの内側へ力を加えていきます。これを行なうと、挟んだボール によって大腿骨を横へ引っ張るような圧力が加わるため、効果的に股関節スペース を広げていくことができるのです。 日々この矯正を行なっていれば、だんだんだるさや痛みなどの股関節の症状がと れてくるはずです。私の患者さんにも、この方法を行なつて症状を軽減させた方が 数多くいらっしやいます。ぜひ、変形性股関節症の症状にお悩みの方は実践してみ てください。